☆鉄道模型レイアウトに憧れる

☆DB202ディーゼル機関車2号機製作は、シャーシの強度に疑問発生(…特に問題があるわけではないのですが)、より完全なモノを目指すために一から作り直し中。途中経過レポートのエントリーが出来ない状態なので、ミステリー小説で描写された「鉄道模型レイアウトへの憧憬」を紹介し御茶を濁します(^^;;。

*"レイアウト"とは"ジオラマ"とか"ダイオラマ"とか呼ばれる縮尺模型展示の一形態ですが、特に鉄道模型の場合、"レイアウト"と呼ぶのが一般的。

"ジオラマ"──日本では、情景模型とも呼ばれる。プラモデルの作品展示に多いが、模型をより効果的に見せる手段として一般的な展示方法である。模型雑誌によっては、フランス語発音に基づいた「ディオラマ」や、英語発音に基づいた「ダイオラマ」と呼称表記される場合もある。また、小型のものを特にヴィネット(装幀、額装用の小さな絵)と表現する場合もある。
鉄道模型に限っては、規模の大小や情景の有無に関わらず、模型車両の運転を楽しむものを英語では「レイアウト」と呼び、小規模で車両走行を主目的としない、飾ること、見せることを主眼に置いて工作密度を高めたものを、シーナリーセクション (Scenery section ) と呼び、区別している。Wikipediaより引用

*模型車両の運転を楽しむことを主眼に置いた"ジオラマ"が"レイアウト"と呼ばれる、ということです(余談だったかな)。


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☆写真はディック・フランシス著(1970年─日本語翻訳版は1971年)のミステリー、邦題「混戦」の表紙。原題は"Rat Race"……"ばかげた競争"とか"出世争い"という意味だそうです。
──主人公はパイロットのマット・ショア。英国海外航空(BOAC、British Overseas Airways Corporation----British Airwaysの前身)勤務の優秀なパイロット(副操縦士)だったが、事故未遂案件の責任を(本来その責任を負うべき主操縦士の)奸計により転嫁されて──出世争いに破れ──しがないエア・タクシーの操縦でその日暮らしを余儀なくされている。彼は英国競馬界を巻き込んだ"傷害保険事業計画"を装う大掛かりな詐欺事件に巻き込まれていく。詐欺のスポンサーに祭りあげられていながら、その陰謀に気付いていない、富豪の貴族ウェセックス公爵。人柄は良いのだが、それだけに騙されていることに気付いていない。無関係の立場だったマット・ショアはとある出来事で陰謀に気付き、ビジネス向きの頭脳は持ち合わせていないお人好しの公爵とその甥のマシューが過ごす邸宅へ赴くのだった。
──以下、本文より引用。ディック・フランシスの小説は"主人公の一人称"で物語が進行しますので、以下"私"と表記されるのはマット・ショア。


 公爵の執事は、声同様に感じのいい男であった。背が低く、落ち着いていて、わずかに目が飛び出た感じの、五十近い男で、公爵がもって生まれた親切心を充分身につけている。看板によると、彼がとりしきっている邸は三月一日から十一月三十日までの間、毎日、一般に公開されているという。あとでわかったのだが、公爵は、邸の南西のそでの四階でひっそりと暮らしている。
「公爵がお待ちしておられます。こちらへどうぞ。」
 私はついていった。その歩いていった距離で、公爵が電話にでるのを待った時間の長さや、電話に出たときに彼が息を切らしていた理由が理解できた。私たちは、三階までのぼり、二ハロンの直線コースを進み、さらに屋根裏へのぼっていった。十八世紀の貴族の邸宅の屋根裏は、正面玄関から遠く離れている。
 執事が、白塗りのドアをあけて、重々しく私を送り入れた。
「閣下、ミスタ・ショアがおみえになりました」
「やあ、入りたまえ」公爵が言った。
私は、入っていき、次の瞬間、いかにも楽しい光景に、心底からにっこりと笑った。天井の低い四角な部屋の中に、でこぼこした円を描いて、緑色の布におおわれた幅の広い、馬で支えられたテイブルが並び、その上に大がかりなおもちゃの電気鉄道のセットがのっていた。駅、引込み線、小さな村が二つ、支線、トンネル、勾配線、鉄橋と、なにからなにまで揃っている。広大な環の中央の管制盤を前にした公爵と甥のマシューがあれこれとスイッチを押すと、六種類くらいの列車が、それぞれのコースを回り始めた。
 公爵が甥を肘でつついた。「どうだね、私たちがいったとおりではないか? 彼は、大いに気にいったらしいよ」
 若いマシューが、チラッと私を見ると、複雑なポイント切り換えを続けた、「もちろん、気にいるさ。そのような人らしい顔をしているもの」
 公爵が言った。「その信号と踏み切りのあるテイブルの下をくぐるのが、いちばん入りやすい」彼が指さしたので、私は言われたとおり、四つん這いになった。輪の中央で立ち上がった。線路の列を見渡して、子供のころ、おもちゃ屋の中で感じたとうていあてのない熱望を思い出した。父は、給料の少ない学校長で、収入の大部分を書物に費やした人であった。
 二人の熱烈な愛好家が、交差点や、衝突を避けるためのポイントの切り替え方法などを説明してくれた。二人の口調はいかにも満足げで、目は輝き、顔は緊張していた。
「これは、もちろん、徐々にふやしていったのだ」公爵が言った。「私が子供のころに始めたものだ。その後、何年も上がってきたことがなかった。このマシューが大きくなるまでは。今では、ご覧のように、二人で大いに楽しんでいる」
「あの壁を通して、隣の部屋に支線を延ばすことを計画しているんだ」マシューが言った。
「ここはもういっぱいになったから」
公爵がうなずいた。「来週あたりだな。おまえの誕生祝いに」
 マシューが満面に笑みをたたえて伯父を見上げた後、巧みな操作で、三秒の差で寝台列車を貨物列車の前を通らせた。「暗くなってきたね」彼があたりを見回して言った。「明かりをつける時間だ」
「そうだな」公爵が同意した。
 マシューが大げさな身ぶりでスイッチを押し、二人で私の顔を見ていた。とつぜん、線路のまわりじゅう、すべての駅、信号舎、信号灯に、小さな電灯が輝いた。その効果に、私は思わず目を奪われた。
「ほらね」公爵が言った。「彼はたいへんきにいったらしいよ」
「もちろんさ」若いマシューが言った。
 そのあと、二人はたっぷり一時間、列車遊びをしていた。二人は、作成した時刻表を駅に張り出す前に、そのとおりに運行できるかどうか、試してみたかったのだ。公爵が待たせたことを、さして申し訳なさそうでもなく謝った。今夜がマシューの学校が休みになった最初の夜で、一学期中、二人でこの夜を楽しみに待っていたのだ、と説明した。
十一時二十分前に、最後の定時列車が駅の引込み線に入って停まり、マシューがあくびをした。職務を無事完了した二人の鉄道運営者が、おおきなほこりよけの布を何枚も広げて、今は静まり返った鉄道の上に慎重にかけた。私たち三人は、踏み切りがのっているテイブルの下をくぐった。

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☆鉄道模型レイアウトに限らず、「子供の頃に憧れた」趣味は多いと思います。何年も経った頃、周りの環境もそれを許してくれるような大人になってから、その趣味に没頭する。そんな大人になりたいと憧れていながら、(好きな趣味のはずなのに)鉄道模型製作でちょっと行き詰ったオッサンの"御茶を濁す"エントリーございました。エントリー自体は詰まらないかと思いますが、ディック・フランシス著の競馬(ミステリー)シリーズはそれなりの傑作揃いですから「混戦」だけでなく他の作品も読んでみられることをお勧めします。
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by cyclonengine | 2012-03-17 19:36 | ☆鉄道模型製作 | Comments(2)
Commented by dad at 2012-03-17 20:16 x
ちょい前のDB202の2号機制作のエントリ-で気付いた事ですが、線路周りがリアルにジオラマされていた事。
思わず「お---っ」と唸ってしまいました(笑)。
コメントしようと思いながら、し忘れてしまいました。
やっぱ雰囲気変わりますね。
Commented by cyclonengine at 2012-03-17 21:57
dadさん、こんばんは~。
あのレール・レイアウト、展示用(何のタメの展示かはまた詳しく説明予定*笑)で全長8メートル!。結局邪魔になるので分離して収納庫入り──1セットだけ車両置き場として使ってます。結構凝った作りしてまして、緩やかですがアップダウンあり、道路が交差していたり、山肌が作ってあったり…です(アハハ)。Oゲージ鉄道模型、迫力もあって最高なんですが、レイアウトに凝ろうとすると、設置場所の問題が出てきますね~。英国の富豪貴族ですら、屋根裏部屋で楽しんでるようですから、日本の小市民じゃ仕方ありませんわ(笑)。
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